個人的には 押井守監督の最高傑作だと思っている作品。
自分が初めてこの作品を見たのは中学2年のとき。ケーブルテレビのチャンネルを合わせたらちょうど始まったところで最後まで見るつもりはなかったのに、温泉マークとサクラ先生が喫茶店で話すシーンで引き込まれてもう目が離せなくなった。そして最後までその場を離れなかったほど面白かった。
押井監督の監督2作目の作品であり「うる星やつら」の核を突いた問題作。そして、押井監督がずっとライフワークにしている「虚構と現実」というテーマを初めて描いた劇場作品。(うる星のTVシリーズでは既に少し描いてるけど)
この作品はよく「うる星やつら」のキャラと設定を使った押井守のオリジナル作品みたいなことを言われることがあるが、個人的にはギリギリではあるが「うる星やつら」だと思っている。
「うる星やつら」のキャラと設定を使った押井守のオリジナル作品に限りなく近いけど、ギリギリ「うる星やつら」というか「るーみっくわーるど」に踏みとどまっている感じ。
ちなみに、高橋留美子は作品としては評価はしつつ「押井さんの作品として見させていただきました。」と、やや否定的な発言を残しているとのこと。
「イノセンス」などの押井守の作家性が強すぎる作品は正直あんまり面白くないんだけど、このビューティフル・ドリーマーは初期の頃の作品というのもあると思うんだけど、押井守の作家性がほんとに丁度良い絶妙なバランスなのだ。
後のアニメ作品はもちろん実写作品でもこの作品に影響を受けた作品は多い。最近だと「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語」の前半がまんまビューティフル・ドリーマーだった。(虚淵玄は押井守との対談で「ビューティフル・ドリーマーをリスペクトしています。」と発言したらしい。)
踊る大捜査線の監督の本広克行はこの作品が好き過ぎて2020年にこの作品をモデルにした実写映画を制作している。タイトルはまんま「ビューティフルドリーマー」。ちなみに踊る大捜査線の劇場版の冒頭で毎回、船の汽笛が鳴るが、あれば「劇場版 うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」の冒頭で船の汽笛が鳴っているオマージュで全く同じ音を使用しているらしい。
影響を受けていたりパロディやオマージュをやった作品を簡単に上げると。
「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語」「ゼーガペイン」「涼宮ハルヒの憂鬱」「えびてん 公立海老栖川高校天悶部(最終回)」「らきすた(最終回)」「サマータイムマシン・ブルース」等々。
「うる星やつら」のことそんなに知らなくても全然面白いし、時間も98分でそれほど長くないので、見てない奴はほんと損してると思うので是非見てほしい。
1回見た後、以下のネタバレ&考察を見てからもう1回見ると楽しめると思います。
[簡単なネタバレ&考察(1度作品を見た後で見て。)]
・ずっと繰り返される終わらない学園祭前日のドタバタ騒ぎ = 「うる星やつら」の世界そのもの = ユートピア ⇒ そんなものは夢でしかあり得ない。
・夜の街、買い出しですれ違うトラックに大量のマネキン ⇒ 夢邪気が夢で使う人形を運んでいる。
・サクラと温泉マークがバイクで学校へ向かうシーンの俯瞰からの家の並びが亀の甲羅の形。
・朝ごはんのシーンのラムの「(戦車)どっか移しちゃおうか。」というセリフの後に、戦車がプールへ移動している。ラムの夢だという伏線。
・面堂が水道の蛇口を捻っても少ししか水が出なかったのに、ラムが水道の蛇口を捻ると大量に水が出るシーン。ここで面堂がこれはラムの夢だと気づく。 「面堂:ラムさん、この世界どう思います?」「ラム:とっても楽しいっちゃ。」のやり取りで確信。面堂の足元に水が広がってゆく ⇒ 謎が解けてゆくという演出。
・終盤、夢邪気の「生まれた時から人の夢に住んで、人の夢こさえて続けて、1つくらいワテの夢があってもええやないかい!」という台詞。 ⇒ ずっと他人の描いた漫画を原作としたTVアニメを作り続けてきた押井監督を思いを代弁させてるのだと思われる。
・サクラ先生の「木造モルタル3階建ての時計塔校舎、いつから4階建てになったのかの。」という台詞があるが、直前までちゃんと3階建てだった校舎がエンディングでは2階建てに。実はまだ夢の中? 夢から現実に帰れというようなメッセージを言いつつも、結局、最後は「うる星やつら」は夢の中の世界だったということを示唆している?
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